2015年12月22日火曜日

ナオちゃんの買い物カゴ

まわしヒゴが余っていたので、ナオちゃんの買い物カゴを編むことにした。

ナオちゃんは民俗研究や竹細工をやっていて、うちの近所にもときどき出没する。
竹細工や、そうでない本をたくさん出しているえらいひとだ。

「えー?むずかしそうだよ」
工芸部のメンバーでつくったひとはまだいないらしい。

でも説明もしっかりしてるし、なんかできそうな気がする!

材料をそろえて、さっそく台所で製作開始。
ただし製作工程はあまりにも長かったのでダイジェストでお伝えします♪
(詳しくは やさしく編む竹細工入門 を買ってね)

底を組んで
胴を編み上げて
骨を折り曲げ...
本体が完成。

ようやく折り返し地点です (^^;

ここまでに 8 時間。ふー
縁の材料を用意して巻きます。
こなし剥ぎが結構むずかしいんだけど、巻くのはさらに難しい。

なんせ、クジリがないからなあ。。。

近所の島忠じゃ売ってないんだよね。

何度もやり直して、時間だけが過ぎていきます。汗
仕方なくマスキングテープで巻いたところ
おおっ!巻けるじゃん。
よかった...(TT
また縁が巻けずに挫折するパターンかと思ったよ。
縁巻きが終わったら
持ち手をつけて…
完成!

...といいたいところだけど、じつはまだ。

「石擦りを付ける」と「ツルを巻く」っていう工程が残ってる。

ツル?

ツルって何? それ、島忠で売ってる?

しかたがない。こんどナオちゃんに会ったら聞いてみよう。

素人が買い物カゴを作る場合の工数
本体    8時間
縁巻き 6時間
持ち手 2時間

合計 16時間

※ 材料作りの時間は含まず

ナオちゃんに聞いてみた
「ツルってなに?アケビ?」
「アケビじゃないよ。カズラだよ。徳島のつり橋みたいなの。細いのはどこでも生えてる。11月に採るといいよ」




2015年12月15日火曜日

田中さんちの篠があかりになるまで

12月。

「篠でランプシェード作りたい」
「ぐるぐる巻きのヤツ」
「やってみるか...」

というわけで、ふたたび田中さんちにやってきました。
裏山の篠は相変わらず元気に生い茂っています。
雑草ってすごいよな~。
頼んでないのにすごい勢いで生えてくる。
小雨の中、材料を確保して製作開始。
それにしても
やっぱり工芸作家さんは手先が器用ね~!
八つ割りして、手で割いて。
節越え以外は、あっという間にヒゴ作りをマスター。
午前中で材料がだいたいそろいました。
でもね…
実は照明をつくるのは初めて。
えーと、とにかく、球体のベースを作ればいいんだよね。
30分後。

なんじゃこりゃ?
あ、あれだ。原子から飛び出す電子?
さらに30分後。
飛び出してくるヒゴを封じ込めて、なんとか安定した形に。
「みだれ編みって一番簡単だと思ったよ~」

ハハハ。アナタ。
形がないものほど難しいのですよ。
この先はひたすらぐるぐる巻きの楽しい作業です。
夕刻。
ランプシェードが完成。

すっかり日も落ちて、篠が電球の光にキラキラと金色に輝いています。

これでもう、裏山の篠は大丈夫。
いままで雑草だった篠は、原料になりました。
しかもタダ。
好きなだけ材料にして、新しい作品を生み出してね〜(=゚ω゚)ノ


本日の工数
材料確保から完成まで 6時間
持っているものの価値を再発見

2015年11月25日水曜日

ざわわ

沖縄に行ってきました。
竹細工職人さんとこに電話するも
「いま調子悪くて、竹採りにも行けないんだ〜」
「そうなんですか〜」
ガチャン

あっ!しまった。
「お大事に」って言うの忘れた…

というわけで、今回は竹細工なしです。

海。

魚。

そして、やちむんの里 と、観光客気分で沖縄の休日を満喫したのでした。

「ん、おまえ見た顔だな」

あっ、先生!
ご無沙汰してます。
ちゃっかりお茶をご馳走になりつつ…
お話をうかがいます。

あれからン十年。

一緒に写真を撮ろうとしたら NG でしたので、文字のみでお送りします。
  • 儲かるからって変なモノばかり作るのはいかん。
  • 良いものを作る職人が食べて行けないのもいかん
  • だが、世の中を変えるのはなかなか難しい。自分でできることをやって、自分の周りから良くして行け。
  • 人生は短い。しかし年を取る必要はない。年齢は自分で決めろ。
先生、まだまだお元気です。(TT
最終日は南部をドライブ。
北部とは違う、銀色に輝く海。
同級生の機織工房 しよん に行ってから
屋宜屋で美味しい沖縄ソバを食べたり
凸凸製作所 のそばの清々しい泉に立ち寄り
沖縄の旅を満喫したのでした。

水のしたたるクレソンの段々畑。
そのクレソンを狙う人びと。
そのクレソン泥棒に対する番犬。
泉にはいろいろな生き物がやってきます。

ずんぐりむっくりとした竪琴を持った、マクロビっぽい生成りの服の人たちとか…

「うわあっ、ここで音楽を奏でたら気持ち良さそう〜♪」


聴いてみたい。(物陰に隠れて)

でも我々には「スーパーでゆしどうふを買って帰る」という重要なミッションがあるのです。もう行かなきゃ。残念。

それにしても

沖縄に行くたびに、立派な道路がたくさんできていてびっくりする。

このお金、どこから来るんだろう。

沖縄には工芸をはじめとしていろんな文化がある。けど、みんなが口々にいうのは「おかねにはならないさー」。

道路の分、もうすこし別のことにまわすことができたら、もしかしてすごい変化になるんじゃないかなあ…って思うんだけど。

スーパーの駐車場の空、今日も戦闘機が飛んでいく。

 


2015年10月26日月曜日

変容する世界での可能性を求めて

会社から歩くこと20分。
南青山のギャラリー間に行ってきました。

「アジアの日常から: 変容する世界での可能性を求めて」という展示が、2015/12/12まで開催されています。
ここは日本が誇る衛生陶磁器メーカーTOTOのギャラリー。入場無料です♪

トイレの全てが分かる!と期待して行きましたが、こちらはそういうのではなくて、あくまで展示スペース。ちっ。
TOTOと建築家さんを結ぶギャラリーです。


今回の展示ではアジアの建築家5組が紹介されていて、その中の1人が、竹を得意とするヴォ・チョン・ギア。

当然、展示内容も竹。
他の建築家が模型を展示するところに、いきなり実物のインスタレーション。
竹ってすごいね。
組み方も真近で観察できます。

ほほう…
なんとなくベトナムっぽい

バンブーっぽい

そして、ジャングルジムっぽい部分。
竹釘は結合部に使われてるくらいで、他はロープワーク。

表面は焙って油抜きしています。

そしてロープワークの留めが、これだ!

Σ(゚д゚lll)

まじ?
二重結びで終わりなの?

これなら誰でもできるじゃん。
(そういうのが往々にして難しい訳ですが…)

変容する世界の可能性を感じた、お昼休みのひと時でした。

さあ、仕事に戻ろう。

トイレのすべて
TOTOのすべてがわかるミュージアムがこの夏オープンしました!
ここに行けばトイレのすべてが分かる⁈
小倉に行くことがあれば是非たずねてみたいと思います。
http://www.toto.co.jp/museum/




2015年10月14日水曜日

シーズン 3

9月。千葉の田んぼでははやばやと稲刈りも終わり。
今年も竹取りのシーズンが始まりました。
工芸部のマスコット、関根くんは今年も元気です。
いつも尻尾を振ってくれるけどなかなか近寄れない…(^^;
新しく増えた真竹のフィールドは、廃校になった小学校の裏山。
未整備の竹林には竹がびっしり詰まってて、なかなか中に入れない。

てことは、いい竹がたくさん残ってるんだね!←ポジティブ。笑

今年の目標は、実用レベルの物をコンスタントに作れるようになること。
たくさん材料持って帰るぞ~!

竹もりの里 活動情報
第一土曜日は竹細工の日
第三土曜日は竹林整備の日











2015年9月28日月曜日

鳥越のスズ竹細工、ふたたび

岩手県の鳥越に行って来ました。
一年ぶりの再訪です。

6時半のはやぶさに乗車して、約3時間後…
もみじ交遊舎に到着。

千葉の長南町に行くのも片道3時間。
時間的には変わらないことに驚きつつ…
今回は網代編みのバッグを2日間かけて作ります。入門コースの上級編です。

初っ端からお見苦しい写真で申し訳ございません。
棒に挟んだヒゴを足で固定します。
横ヒゴを編みはじめたら、今度は座布団で固定。
午前中で底の部分が完成しました。

さてと、お昼にしますか。
その前に売店でおみやげを物色…ん?
ない!
物がないよ!Σ(゚д゚lll)

夏休みにTVで紹介された反響が大きくて、在庫がなくなってしまったとのこと。お客さんも次々に訪れます。

中には、東京より安いので、時間はかかるけど注文して帰る人もあり。
けれど、何も言わずに、残念そうに手ぶらで帰るお客さんの姿もあり。

気持ちは、なんとなく分かるような気がする。

東京では物がないなんてことないし、店員さんの方から話しかけて来るもんね。

でも、こういうときはこっちから声をかけてもいいのかも。

私なんか、最近は図々しいもんで…
さてと、次は胴の立ち上げです。
1本、5本、4本…だったかな (^^;;
指導員さんの指示通り編み込むと、あら不思議。角ができた。
素材の感触は、竹というよりも固い草を編んでいる感じ。
胴は 7 本とって、1、3、3、と...
丸一日かかって胴体が完成しました。
2日目。
縁を巻いていきます。
鳥越の道具は、なかなかユニークです。
ナタの柄が長い…
「長くないと、脇にはさめないでしょ」
えっ?そうやって使うの?

確かに、これなら握力なくても大丈夫。
キリをぶっ刺して巻いていきます。

枠の材料は、一戸のカゴやさんから分けてもらった真竹。
ふーむ。あっちとこっちは繋がっているのか…


手は麻縄を芯にして巻いていきます。
できた!

毎度のことだけど、手間がかかる分、感慨ひとしおです。

こんなに手間がかかってて人気があるなら、値上げを考えそうなものですが、交遊舎はマイペース。
去年と変わらない、ゆったりとした時間が流れていました。

今回の工数
たっぷり2日間

体験製作はレベルに応じて実施、要予約。
今回も、ご都合やアドバイスを聞いてから旅程を組みました。